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味噌にぎりの味

空港でレンタカーを借りる。
予約したグレードの車が出払ってるとかで、
一つ上のものを、同じ金額で用意してくれたとのこと。
車庫入れの苦手な僕にとって、なるべくなら軽かコンパクトカーくらいが無難だったが、
店側が用意してくれたのは残念ながらステーションワゴンだった。一方息子は喜んでくれた様子。
手頃な店で昼食を食べる。

うどんの他に、メニューにあった味噌おにぎりを単品で注文する。
思った通りだ。昔父が、丸くカチカチに握った米飯に、味噌を塗りたくって、トースターでカリカリに焼いてくれた、あれだ。
もっとも父の握るそれは、小学生の僕にとっては、ご飯の量があまりに多過ぎて、当時それほど好きではなかったのだが。

店の味噌にぎりは、直径6、7cm。手頃な大きさで、甘辛い味噌が素朴な風味を醸し出していた。
息子が無心にうどんをすする向かいで、僕は携帯で実家に電話をかける。
電話の先で父は驚くとともに、心なしか上ずったその声から、少しばかり興奮しているのが分かった。
「あの、産まれたとこをね、ちょっと見に行きたいんだけど。」
という少し気恥ずかしさを込めた僕の問いかけに、父からは岩根橋という地名が返ってきた。
「岩根橋の駅から、汽車に乗ってさ。毎日宮守の小学校まで通ってたんですよ。」
既に口調が自分語りになっている。
受話器を耳に当てたまま、たぶん遠くを見つめてる。

車に乗る頃には小雨が降り出していた。
僕と息子は山の方、といっても八方山ばかりだが、
とにかくナビが言う方に、真っ直ぐ走り出した。

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