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休日にゴルフクラブを磨くお父さんみたいに



今日は朝からバイオリンのレッスンでした。
僕のではなく、
息子のです。
Amazonの段ボールで作った玩具のバイオリンを
ニコニコ構えていた幼少期の姿は今何処。
小学三年生になった彼は、
レッスンの直前にしか楽器ケースを開けません。
当然弾けないものだから、
いつもふてくされながらレッスン前に宿題を、
父親であるところの僕とさらうわけです。

頭の中によぎるのは、
これは親のお仕着せ以外の何者でもないんじゃないか?
という疑問と、もう一つは、口から手が出るほどにレッスンを受けたいのは、彼ではなくて自分だというささやかな不満。

だから、
目の前でつまらなさそうにされると、
いかんいかんと思いながら、
つい頭に血がのぼる自分がいます。

ほんのわずかな日常の隙間。好きに使える時間に何をするか?
釣竿の手入れ?
結構結構。
スマホでゲーム?
それまた結構。

僕の場合、
バイオリンケースを開けるのは、それと近い事かもしれません。
自分は馬鹿なんじゃないかと思うこともたまにあるけど、今だに楽器ケースを開ける時はワクワクする。
もちろんゲームや釣竿と同様、
そこには一抹の後ろめたさもある。
家族を省みず楽器に夢中になるなんて…。
だからコソコソちょっとした隙を見計らっている。

そんな生活をしている身からしたら、
楽器ケースから面倒臭そうに楽器を出し、
やっつけ仕事みたいに無神経な音を出されるのは、
それはそれは、カチンとくるのです。
君が今早く終われと思っているこの時間を獲得するために、お父さんはどれだけの苦労をしていると思うかね。豚に真珠。
やりたくないなら今すぐやめちまえ!
なんて言いそうになるのを、グッとこらえ、
いつかこんな時間も、懐かしい父との思い出になるのだからと思い直し、
「タカ1とヒク1があるなあって考えて弾くと、かっこよくなるかもしれないよ」なんて、半分ひきつった笑顔を作りながら控え目にアドバイス。

僕は今夜も、
夜な夜なバッハの楽譜を引っ張り出して、
無伴奏パルティータの第2番のジーグを暗譜すべく頑張っています。
たかだか2ページのこの曲を、
暗譜するために二ヶ月かかっています。
毎回楽器ケースを開けるたびに、一段ずつ新たに暗譜する。その繰り返し。
今はやっと32小節目。
でも覚えたところまで、部屋をうろうろ歩きながら何度も弾いていると、毎回新しい発見があるのです。
掛け合いの音形だとか、低音の下降だとか、
あるいは舞曲特有のリズム割りだとか。
それに気付くと弾き方がガラッと変わり、
見える景色が生き生きとしてくる。
何度も何度も、
考えながら弾く事を続けていると、
その事自体が快感になっていきます。
たかだか40小節の曲で、
多分何年も何十年も、
楽しめてしまいます。
暗譜してしまう事で、
また違う脳の使い方が生まれます。

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