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逃避しちゃえばいい

仕事が終わって、
夜中にヴァイオリンを引っ張り出して、
ただただ、
自分のために弾く。

他人の見る目に傷ついた時、
理不尽な扱いに腹が立った時、
明日やその先に起こることが不安な時、
これまで僕は、
楽器を弾くという営みによって、
救われていたのだと、
最近強く感じている。

楽器を弾くという行為そのものが、
日常と少し離れた処にあるからなのかもしれないし、
システマティックな運指や運弓が、
暗闇に渦巻くドロドロした感情のスパイラルを忘れさせてくれるからかもしれない。

危ういメンタルを抱えながら生きてきた僕は、
心理学の防衛機制じゃないけれど、
楽器を鳴らす事によって、
自分自身を保っていたのだと思う。

それは時にお菓子の空き箱の裏に絵を描く事であり、
または大きなスピーカーの前に仰向けに寝っ転がってレコードを聴く事だった。
この二つの行為は、
楽器に出会う前、
子供の頃のこと。

今夜はバッハの無伴奏パルティータ第2番のジーグ。
最初の7小節を
一小節ずつ暗譜しながら弾く。
楽譜を見て弾くのと、
暗譜して弾くのは、
別な行為なんじゃないかと思う。
楽譜を見るからわかる事、
楽譜を見ないから気づく事。
それぞれあると思う。

もう弦が古くなって恐らく限界だ。
ゴールドブラカットはサビサビだし、
ドミナントも弾力が無い。
人に聴かせないからといっても、
さすがに一年張りっぱなしは弾き心地に影響する。
梅雨も明けたらしいし、
今度新しい弦を買おうかな。



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