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日常の中の非日常。

相変わらず目処の立たぬ仕事を切り上げ、
いつもの帰り道。
右手に古いガソリンスタンド。
ロープで囲われて、
「しばらく休業します」と手書きの看板。
されどガラス張りの事務所には今夜も明かりが灯り、
タンクトップの男性が新聞を読んでいる。
齢70代くらいのその男性は、
僕が帰る時間帯、
いつも同じ格好でそこにいるもんだから、
何だか気になってしょうがない。
まるでそこだけが周りから隔絶され、
時間が止まっているような、
そんな不自然な空間。

帰宅後、
ナイキのシューズを着て、
夜の街を走る。
自分の足でアスファルトを蹴って。

今夜は5キロって決めてたから、
少しペースをあげてみる。
昼の名残の生暖かい空気と、
夜のひんやりした空気とが、
マーブル状に折り重なって、
僕の身体を通り過ぎてゆく。

空腹だから身体がすこぶる軽い。
気持ちよく時間が過ぎてゆく。

折り返し地点のホームセンター前交差点を過ぎて、
軽い下り坂。
田んぼには水が張られている。
遠く電車が通り過ぎるのが見える。
窓の明かりの連続が、その水面に映っている。
驚いたサギが
バサバサと飛び立つ。

何の飾りもない。

当たり前の風景。
当たり前の日常。

長く生きていると、
時々それが感じられなくなる。
この空気の匂い

肌触り
十代の頃、
当たり前にあったそれらの日常は、
別に時代の流れに巻き込まれて、
消えてしまったのではなく、
毎日の繰り返しというメッシュでこし取られた結果の積み重ねによって、
僕自身が気付く事ができなくなっただけなのかもしれない。

明日も明後日も、
たぶん僕は生きているはずだけど、
こういった感覚を
ちゃんと保ち続けるための努力は、
必要だと思う。



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