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マンハッタン

いつもは土曜は休みだけど、
今日は出勤。
帰ってきて、
昔みたあの映画を、
また観たくなった。

全編は無理だけど、
今は、一部だけならネットで見られる時代。

マンハッタン
1979年 アメリカ映画
監督、主演 ウッディアレン

あのモノクロームの映画
初めて観たのは二十歳の頃。
バイト帰りにレンタルビデオ屋で借りてきて、
真夜中に一人、観た記憶がある。
季節は夏か、それとも秋か。

記憶に残るシーンがある。
それは確か
夜通し歩いた後の早朝、
橋の見えるベンチで、
犬を連れたダイアンキートンと、
ウッディアレンが語るシーン。
恋をすると、人は夜明けまで語り合えます。
朝霧に浮かぶ橋の光景。
バックに流れるガーシュイン
Someone to watch over me
実にぴったりな選曲。
不器用な二人。

こんな忘れられない風景を、
きちんとお膳立てして、
数万人の観客の脳裏に、
ある種のトラウマみたく刻み付けるような、
そんな存在感のある映画って、名作なんだと思います。

それにしても、
コメディアンと呼ばれる人が、
ふとした隙にみせるあの、
寂しさだったり、物哀しさだったり
そういったものに、
ある種の色っぽさを見つけてしまったら、
多分おちちゃいますよね。
ふぉーりんなんとかです。

チャップリンには、それが確実にあった。
街の灯しかり、黄金狂時代しかり。
寅さんやってる渥美清にもあった。
「男はつらいよ」は、笑えるだけのコメディなんかじゃない。
ウッディアレンにだって、
それは確かに、
ある。
笑いと哀愁は、
切っても切れないもの。
本当の笑いは、
悲しみの先にあるものかもしれない。
ラストシーンのあの表情。
あれはチャップリンの街の灯に匹敵するか、あるいはあの作品に対するオマージュなんじゃないか。

喜劇なんかじゃない、人生は、むしろ悲劇だ。
だけど悲劇の中で、どうやって最善を尽くすかって事だ。そんなことを、ウッディアレンは話していたらしい。

ちっぽけな自己が、精一杯はち切れるくらいに膨らむ時、
そこに悲劇というエネルギーが存在する場合もある。
笑いは変化球。だけど、人の気持ちを動かすには、一番有効な手段。
かもしれない?

人生は、基本的には
悲劇なんだと思う人間にとって、
それを伝える有効な手段は、
突き詰めれば結局は、
笑いなんだろうと、
僕は、そう考えるたちの人間です。
だから、そんな類のコメディに、
それがコメディにもかかわらず、
意図せず心地よい涙を流せるのかもしれず。




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