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アロマオイルと布団の中の昔話

正月に、妻と寄った雑貨屋で、
アロマオイルの福袋なるものを購入した。
3mlのエッセンシャルオイルの小瓶が、16種類入って3000円。
一本定価600円だから、かなりお得だ。

寝室のライトに使っていた、無印良品のディヒューザーに、久しぶりに水をはった。
薄明かりにティーツリーのアロマを焚き、冷たい布団にくるまる。
すうっとした空気で、3歳の娘はもう寝息をたてている。

ふいに6歳の息子が
「ねえ、おとうさん、むかしのはなししてよ。」
とつぶやく。
太宰治の「御伽草子」が僕の頭をよぎった。

「えーっと、昔々、ある所にね」
意を決して話し始めると
「ちがうって、おとうさんのむかしのはなしだよ。」
と言われた。

「あ、そっか。いつぐらいのはなしかな?」
「うーん、小2くらいの頃の。おとうさんの。」

恐がりの息子は、怖い夢を見るんじゃないかと、
心配でこんなふうに、何でもない話をせがむ。
声を聞いて安心したいのかもしれない。
僕もそうだった。
よくわかる。

「お父さんは、何でもいやなくらい覚えて困るほどだからさ、話が長くなっちゃうかもしれないよ。」などと恥ずかし紛れの軽口を言って、掛け布団の上に両腕を出し、薄暗い天井を見る。
それからゆっくりと息を吐き、その昔、自分が息子くらいの年頃だった時代を思い出すことにした。



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