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あの人の音は、今どんな風に、空気を震わせているのだろうか

昔一緒に弾いてた、
あの人の音は
今どんなかなあ。

って、夜中にぼんやりと思ったりする事もある。

この時点で、
今の世じゃ変人扱いされかねないですが、
人は多面体な生き物。
見る向き、光の角度、あと相手の心持ちによって、いろんな色形に見えるものです。

とにかく僕は、時に思う。

あの人は今、
どんな音で奏でているんだろうかと。

楽器の楽しいところは、
その音は、扱う人によって千差万別だということ。
テクニックではなく、その人の体型、口の形、骨密度?、それから腕の長さだとか、乳児期に獲得したレベルでの動きのスタイル、体温、肌質、幼少期に受けた環境の刺激、思春期に自ら養ったであろう価値観、言語、時代性、歴史、
出てくる音を、音程やリズムで判読する事はシステム上は必要かもしれないが、
音を味わい、頭ではなく心から楽しむには、音程リズムの他の、莫大な量の情報に対して、耳とソウルを開く必要があるというふうに思うのです。
勿論、それは僕の個人的な感情ですが。

バイオリンもそう、
クラリネットもそう。
ティンパニだって、トランペットだって、
ホルンもファゴットも、
チェロもコントラバスも。

顔を思い出すと、
楽器を弾く様子が目に浮かび、
そして、音が聴こえてくる。
上手い下手なんてどうでもいい。
それは、スーツにネクタイを締めるだとか、
髭は剃るか整えるかした方が良いだとか、
そんな類のこと。
アフリカのサバンナの草原で、
まんまな自分を音にする時は
別にいいでしょ。
上手くなくても、音は音。
そこに堪らない魅力があると僕は、
今でも懲りずに思っていたりします。

だから、昔聴いた誰かの音が、
今も何処かで鳴っている事を願っていますし、
その事を、ささやかながら心の支えにしている時も、たまにはあります。
自分の音も、昔に比べて大分と変わりました。変わらないものもあるんだろうけれど、それは自分ではわかりません。

あの人の音は、
今どう変わったんだろう、
変わらずにあるものもあるだろうか。

音には感触があります。
僕はそう感じているんだけど。

例えば、肌の感触。
体温。湿度。

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