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本気の音

一枚のCDRを
棚から引っ張り出して
今夜聴いている。

日付は
2001年8月5日

15年も前の音源。

曲はシューベルトの未完成。
当時僕は大学四年。
オケのリハの音源です。
夏の盛りの大学の講義室での実況録音。
指揮者の先生の話もすべて記録されている。
音質は最悪。
MDに録音したものを、カセットテープにダビングし、それをパソコン経由でCD−Rに焼いたのですから。
フルトヴェングラーの発掘音源みたいな音がします。

合間に聞こえる蝉の声。
講義室の窓を開け放ち、
じっとりとまとわりつく汗を拭いながら、練習している。

一楽章の終わり方について、
指揮者の先生が話をする。
何故にシューベルトは、
このように畳み掛けるように終わらせたのか。
ピアノ譜のスケッチが残っていて、
他はほぼそのままであるにもかかわらず、
何故か終わり方が、大きく異なっている。
スケッチは、穏やかに集結してゆくのに

何故、こうなってしまったのか。
経緯については、確定する程の資料は残っておらず、推測するより他ないが、
いずれにしても、
何かがあったのだろう。
病気のこともあったのかもしれない。
或いは映画にあるような女性との事であったのかもしれない。
単なる楽譜上にある音の再現ではなく、
作品に刻んだ、作曲者の意図を再現することが、大切である。

といった内容の話でした。

その話の後のオケの音の変化が凄かった。音色までもが変わっていった。

正しいかどうかは分からない。
でも、そこには血の通った人の声があり、生身の音があった。

たとえ技術的には拙いにしても、
本気の音は、
本物を立ち上げる力がある。

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コメント

本物の音・・・追憶の彼方から、蘇るその音には、魂を揺さぶるものがありますね☆

投稿: こーちゃん | 2016.10.01 21:48

こーちゃんさん
いらっしゃいませ。
音を作る事と、
音から伝わる事には
何か不思議な力がある気がしますね。
ありがとうございます。

投稿: tkm | 2016.10.02 17:15

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