« おじさんもわるくない? | トップページ | うちのタマ、指板が下がる »

EVERYTIME WE SAY GOODBYE

今日でお盆は終わり。
実家でおくり火を焚いた帰りの車。

坂の始まりにある信号が青になるのを待って、アクセルをゆっくりと踏みしめる。

デッキからは、
ビゼー作曲のカルメン第二組曲
その中の一曲
ノクターンを聴きながら、
薄暗くなった空をぼんやり見上げた。
隣で6歳の息子が、僕に話しかける。
車内は彼と僕の二人。
僕等が乗っているこの小さな車についての、たわいもない感想。
表示のライトが緑色だね、とかそういった事。
僕はノーマンキャロルの甘く芯のある音色に聴き惚れながら、うわの空で相槌を打つ。
丘の上まで来て、また信号待ち。
ふと息子が、
いや、息子と自分が、
過去の自分とオーバーラップした気がした。

父と自分。
車内で隣り合って話している、
あの懐かしい感覚。

信号が変わり、
ウィンカーを鳴らし、
左にハンドルをきる。


先日、死んだ兄の夢を見た。
遊園地のアトラクションに二人で乗っている夢。
朝目覚めた時、久しぶりに温かい気分になれた。
もう10年以上前のことなのだけど、寂しがり屋の僕を気遣ってか、今でもたまに夢に出てくれる。

親しい誰かの死を受け入れるということは、
自分の一部が死というものに浸食されてゆくことかもしれない。
死は突然やってくるんじゃない。
気づけば、死は自分の一部なんだと思うようになっていた。

バックで家の駐車場に車を停める。

玄関前で、息子が蝉を探すが見つからず、
少し残念そうに玄関の扉を開けて入ってゆく。
3歳の娘がにこにこ迎えてくれた。

玄関で靴を脱ぎながら思う。

兄は無事、
帰れただろうか。

|

« おじさんもわるくない? | トップページ | うちのタマ、指板が下がる »

ぼんやり日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« おじさんもわるくない? | トップページ | うちのタマ、指板が下がる »