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ビーンと張りつめた

休日に実家で二歳の娘ちゃんと過ごしまして、
暇だから家の前の田んぼ道を歩いていたら、
田んぼの水を流す側溝が、鮮やかな緑色の藻でいっぱいでして、
あぁ、こりゃ何か色々な有象無象が居るであろうなと、
二人でしゃがんで覗き込んでみたら
いつも、自然界の生き物が何気なく居る時に起こる微妙な時差と、僕は勝手に思っているところの、
あの視覚的なピントがあった先にギョッとする例のパターンにより、
体調10センチほどのトノサマガエルを見つけたわけです。
昔、ラジオでシンガーソングライターの大貫妙子さんが言っていた、
アフリカの草原で獲物を狙う、ライオンの三角の耳を見つけるのは、
ある意味でのチューニングを合わせるコツのようなものがあるようで、
それが掴めないと、どんなに視力が良くても分からないっていうような話を
ふと思い出させる体験でした。

で、僕は娘ちゃんにカエルが動くのを見せたくて、
傍の小さな枝を拾い、
尖ったその口先に持っていくと、
カエルはビーンと飛びついて
溝の水に波紋ができる。

僕の手には、枝から伝わるそのカエルの動きが、
振動として伝わる。
野生の生き物は、
みんなビーンとした張りのある振動があるなあと、
その時思いました。

ビーンとしたバイブス。

そういった視点で捉えると
ペットには、それは無くて
やっぱり野生の中にだけあるものだって分かるんです。

あれは、何だろうなあと思うんです。

先日、夕方に職場の駐車場でセミの幼虫がヨタヨタ歩いているのを見かけて
手に取ると、やはりビーンとしている。
でも、カエルとは違って
もっと溜めのあるエネルギー。
瞬発力というよりは、
じっくりと溜めて、じっくりと執行するタイプの
ある種粘着質のエネルギー。
それが、掴んだ指先からジンジン伝わる。

近くにあったミカンの木につかまらせると、
幼虫は驚くべき速さでよじ登り
数分後には見えなくなってしまいました。

手に残るのは
先ほどまでこの手にあった
ビーンとした振動。
あの振動は、あの幼虫が生きているという
そのバイブレーションだったのですが、

そこには、ある決心のようなものがあり
その決心は、文明の川の流れで生きる自分たちにとって、
あまりにプリミティブであり、しかし、静かな説得力があるのでした。

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