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虫捕り

有給とったら、外は雨。
雨上がりに息子くんが、虫とりをしたいって言うものだから、
気乗りしないまま、近所の公園まで、虫取り網片手に散歩。
気乗りしないのは、僕が虫が苦手な事が原因なんですが。
そうそう、小さい子供は昆虫が好きなんて、あれ偏見に過ぎなくて、
おかげで僕は昔から虫が嫌いなのを我慢して、友達と遊んでたんです。
だって、奴ら(虫)何考えてるか分かんないし、ちょっと乱暴に持つと脚なんかがすぐ取れて、でもちっとも痛がらずに平気な顔してるじゃないですか。
あの、もそもそ動くのも気持ち悪いし、本当に苦手です。
小学校の頃、虫好きの男子が水槽に溢れんばかりのバッタを詰め込んで、教室後方のロッカー上へ置いていたのを、放課のたびに見ていましたが、あれはまさに地獄図絵。
ガサゴソ、何を考えているか分からない、いや多分、そんなにも情緒的な事なんて何も考えていない生物が、山盛りになってうごめいているのを、グロテスクな見世物を眺めるように見ていたのを覚えています。
原爆で、被爆した体験のある人の話をなんかの機会に聞いた事あるんだけれど、
人も、極限状況になると、情緒的な心理がフィルタリングされて、原始的な生命維持のモードになるのだそうでして、
自然というものは、圧倒的な説得力を持ちながら、
この僕らの身体にちゃんとあるのだと、
まあ、そんなこと当時の僕は知る由もありませんから、
やだなあ、触りたくないなあと
黙って眺めていたのでした。

いつものように、前置きが長くなりましたが、
そんな訳で公園で、とりあえず蝉取り。
桜の樹にはアブラゼミがたくさんいて、
中には賢くて、網が近寄るだけでギギギって逃げ出すのもいるけれど、
大抵は鈍臭く網に落ち込んで、バタバタ暴れている。
あれまあ、蝉ってこんなにも容易くとれるもんだっけかなあと、
ほれ、蝉とれたぞって
息子くんを呼んだら、
彼、慌てて10m程向こうに逃げていってました。
やれやれ、虫捕りしたいって言ったのは君じゃないのと思いながら、
ほれほれと、見せにいくと
怖い怖いと走っていく。
蝉はうるさいから、ちょうちょとってよって言うから、
手頃な蝶をつかまえて、息子くんの虫かごにいれてやると、喜んで持って帰ってました。
でも、この歳になって虫捕りなんてしてみて、
意外と楽しかったです。
野生の生物と、コンタクトをとることができる一番手頃な方法であり、
捕まえる前の所作は、誰もが持っていながらその存在すら忘れてしまっているプリミティブな何かを呼び起こすというのが、多分その理由なんでしょうけど、
人は長く生きてれば、人それぞれの順番で、様々なものを楽しめるようになるのだと、
そんな余地のある、人間の偉大さを感じる休日でした。


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