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ソニースティット

いつかの昔
何処かで見た
そんな懐かしい記憶。

それは、この前見た夢の中の風景?
いや、それは確かに何処かで見たはずの景色。

割れた器の欠片を集めるみたいに
その記憶の断片から、何かを探している。

人は、それまで思い出しもしなかったような、いつかの記憶が見えた時、
ふいに空を見上げるものかもしれません。

記憶を掘り下げる営みは、自分自身の中の大きな暗闇に、
ロープにしがみついて、
ロウソクの灯りを頼りに、ゆっくりゆっくり下っていく様に似ています。
地下に降りて見えるものは、地上に生きる自分の感じ方で大きく変化します。
以前は見えなかった物が見えてくる。

僕は今夜、部屋で一人
音楽を聴きながら、お酒を飲んでいる。
スピーカーからは、ソニースティットのサックス。
クインシージョーンズのアレンジしたバンドがバックを盛り上げます。

時間というものは、
本当に早く過ぎてしまうものです。
一年、二年なんて言うに及ばず
五年、十年なぞ、あっという間。
僕はそんな時間の流れに相応しく変化しているのか。
それは、正直わかりません。

十年前、僕は何をしていたのだろう。
二十年前、僕は確か受験生だったような気がします。あの頃の、空中にフワッと浮いてしまって、どこに行くか分からない心許なさ。
記憶の中の風景を、
印刷の薄くなった紙箱の蓋をそっと開けるようにして思い出すと、
あの一瞬は、
今現在に直接結びついていて、
間に分厚い時間が挟まっていることなんて
あまり関係ない。
時系列で整理するのは、あくまで一つの手段でしかない。
過去のエピソードは、いつかの未来と繋がる。
その可能性の触手をいつだって伸ばしている。

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