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兄弟

あの日、兄がいなくなってしまって
もう随分経つのですが
彼は今だに僕の夢の中に
ひょっこりと顔を出してくれることがあります。
いつも決まって、すぐ側に
そしてずっと前からそこにいたかのように佇んでいる。
僕は僕で、そんなこと当然と思って
普通に話をしている。
好きな音楽を聴いていたり、
テレビを観ていたり。
そうやって、過ごしている。
もういなくなって、
僕は当時の兄の年齢なんて、とっくに越えて
結婚して、ローンで家建てて、子どもなんて二人もいるのに、
あの頃と同じように
並んでテレビみている。
夢の中の彼は年はとりませんし、
この先自分が生きていたとして、
例えば70歳くらいになっても、
夢の中のお兄ちゃんは、
やっぱり32歳なんでしょうか。
先日は、二人でタモリの一人芸を見ていました。
なかなかシュールな内容でしたが、
面白いかどうかは別として、ぼんやりと見ていました。
いったい、いつまでこの関係は続くのか。
夢に出て来てくれるのは、いいものです。
昔は、夜中に目覚めた後一人で泣いたりしていましたが、
今は、あまりに自然にそこにいるので、「あ、またきてたんだなあ。」なんて思ってほんわかしたりします。
多分、今でも何処か心の奥では納得できていないんですね。
物心ついた頃から、僕の人生のモデルは兄でしたから、
それが突然無くなることで、僕はある意味においては大人にもなりましたし、その過程で悩む事も多くなった。
人はたとえこの世からいなくなってしまっても、その人との関係は続いていく。
離れてしまった人たちとの関係は、一人の人間の中に生き続けていく。
その事を思う時、
ああ、生きるというのは
ただ生きているというのは、
実に意味深いものだと思うのです。
今夜は出て来てくれないかな。



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