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飛行機雲

飛行機雲
仕事帰り、
駐車場でヴィッツのドアに手を掛けて、
ふと見上げたら、
青い空に一本の飛行機雲。
夕日を浴びて白く光っています。
小さな機体は僕の頭上を通りすぎ、そのまま真っ直ぐ西へ。


思えば、時々頬をかすめるひんやりとした風が、
昼間のあの湿った暑苦しい空気を上空へと巻き上げたので、

ああ、空はこんなに高かったんだと、

ドアに手を掛けたまま、ポカリと口を開け、
空を見上げることになったのでした。

車のエンジンをかけて、
いつものようにサイドブレーキを下げます。
農道では、対向車がライトを点け始めました。
坂道を上るとき、目線の先の夕空に、いくつもの飛行機雲が見えました。
近くを飛ぶ飛行機、
遠くを行く飛行機
進む方向もバラバラですが、
機体の描く軌跡は、
太陽に照らされて、どれも白く光っています。

それは、まるで昔どこかの山のてっぺんで見上げた流星群のようでした。
信号待ちの度に、ハンドルを握った体をかがめ、
フロントグラス越しの空を見上げる三十過ぎのおじさんを、
柴犬を連れた中学生がいぶかしげに見ています。
空には沢山の飛行機が
自分の描く光の軌跡に気付くことなく、
それぞれの地にただ真っすぐに飛んでいきます。

まばゆいほどに青々とした稲が、
夏の夕方の風に揺れています。

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