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還る

今日は朝から雨です。

せっかく咲いた桜の花たちが、灰色の街に吸い込まれて色あせてしまいました。

ビニール傘にパラパラと雨粒が落ちます。

かわいい太鼓を叩いているようです。

そんな音を聴きながら、またぼんやり考え事です。

美術館の名画、古い寺の仏像、名器と呼ばれるイタリアのオールドヴァイオリン。

そういったもの物たちは、僕が生まれるずっと前からこの世にあって、そして僕が死んだ後も恐らくそこにあるのだと思うのだけど、何故だか、そのことが僕を安心させます。

オケで弾いているベートーヴェンやモーツァルトも、僕が生まれる前からあって、僕が死んだ後も、世界中の何人もの人々に弾き継がれることでしょう。

僕が感じる安心感というのは、自分が世界とつながっている実感に近いものかもしれません。

自分が何か大きなものの一部であると感じ取れることって、ちょっと幸せな気分にさせてくれます。

人でいっぱいの街、喋り詰めのテレビ、広告でいっぱいの電車、過剰に存在をアピールするショッピングセンターの商品たち、まわりに押しつぶされないように、突っ張っていないとやってられない毎日。

「ボヤボヤしてると隣のあいつに食われちまうぞ。」

そんな日常に疲れてしまうこともあります。

そんなこと考えてる間にも、海岸には次々と波が打ち寄せ、太陽は東から昇る。

当たり前にあること、これからもそうであると信じられるものを信じることが、どこかで人を勇気づけるのかもしれません。

また、海を見に行きたくなりました。

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