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タクシー

飲み会帰り、

いつものように終電に間に合わず、

いつものようにタクシーです。

「お客さん、どこまで?」

開いたドアから行き先を告げると、バックミラー越しに、

「○○○○円くらいだからそんでいいよ。」

とちょっと割安な値段を提示してくれました。

喜んで。

ドアが閉まり、タクシーは少し荒っぽく夜の国道へ発進しました。

ところで夜中のタクシーっていうのは、考えてみれば結構面白い空間です。

運転手と乗客とが偶然的に出会い、お互いの役柄を演じながらコミュニケーションをする。

それは、ある意味とても親密であり、それでいて非常にドライな関係です。

タクシーの中では乗客と運転手は座席の前と後ろで、お互いに顔を合わせずに話をしています。

かといって、電話のようにまったく姿が見えないわけでもない。

近すぎず、遠すぎず、微妙な距離が保たれています。

走る懺悔室みたいな感じでしょうか?(意味不明ですね)

話をしながら、その人がどんなことを考えて毎日を過ごしているのか想像したり、

話の内容、声の調子、そういったもののもっと奥にあるものをそっと覗いてみたり、

でもそれは、その後に何か発展性のある関係ではなくて、大抵その場限りのものです。

しかし、タクシーの閉ざされた空間は、日常の世界とちゃんとどこかでつながっています。

いつもながら、よくわからない説明ですね。

でも、面と向かって間近で話をするよりも、

ほんの少し微妙な距離をとって話をすることで、

浮かび上がるものもあるような気がします。

昨夜の運転手は、よく話をする人でした。

人には頭の中を整理するのに、

話をしながらするのが得意な人、

歩きながらするのが得意な人、

書きながらするのが得意な人

いろんなタイプの人がいるような気がします。

昨日のマスクをかけた運転手さんは、いっぱい話をするなかで、

きっと自分で自分にYESが言えるようにしていたのかもしれませんね。

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