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おとぎの国の演奏会

小学校の頃でした。

3学期の始業式が終わり、昼過ぎに家に帰ってテレビをつけました。

華やいだホールでオーケストラの演奏会がやっています。

クラシックなんて音楽の鑑賞の時間でしか聴いたことがなかったんですが、その映像に小学生の僕はだんだん惹きつけられていきました。

まず思ったのは、絵本の中みたいだってことでした。

こんな世界が世の中にはあるんだ。

花がいっぱいのキラキラとしたホールで、楽しそうに演奏するオーケストラ。

優雅に指揮棒を振る指揮者。

宮殿でワルツを踊るダンサー。

客席は着飾った紳士淑女でいっぱい。

最後は曲に合わせ、楽しく手拍子している。

あまりの興奮に、台所にあったラジカセを急いで持ち出し、テレビの前にピッタリとつけ録音ボタンを押しました。

こりゃ一大事だ。大ニュースだ。

新聞のテレビ欄で、それがウィーンフィルのニューイヤーコンサートで、

指揮者の名前はカラヤンという人だと知りました。

カラヤンはそれ以来、僕のヒーローになってしまいました。

何だかわかんないけど凄い人なんだ。

おとぎの国の人なんだ。

よく分からない理由ですけど、小さい頃のヒーローなんてそんなもんです。

そして、親にねだって買ってもらったレコードでウィンナワルツの日々。

ベートーヴェンよりも、モーツァルトよりも、ヨハン・シュトラウスは大作曲家でした。

おとぎの国の作曲家でした。

まさか、そんな小学生が大人になってオーケストラで楽器弾いて遊んでいるなんて、

その頃の僕は想像もしてなかったでしょうけど…。

ちなみに楽器はその頃から好きでした。

ソプラノリコーダーで細川たかしの「浪花節だよ人生は」をインチキコピーして吹いてたら、クラスの人気者になれました。

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